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保育理念
~子どもの心に寄り添い保育の輪をひろげます~
子どもの最善の利益を保障し、家庭や地域と共に
子育ての楽しさを共有していきます

子育て支援megomego

過去のすくすく通信(2023)

~ せんせい、おはなしできるとたのしいね ー言葉の獲得による世界の広がりー ~ 
2024-10-01

朝夕は肌寒さを感じる日が増えてきましたね。秋の訪れを感じる時期となりましたが、子ども達は戸外でも室内でも元気いっぱい!1歳児クラスの子ども達は、春先は言葉がうまく出てこなくて気持ちが伝えられず大人の関わりが主となっていましたが、徐々に言葉が出始め、友達との関わりが増えてきました。

ある日のこと…朝の自由遊び時にままごとで遊んでいたRちゃん。楽しそうに遊んでいるRちゃんを見ていたMちゃんはついついほしくなってしまい、ままごとのりんごを無言で奪ってしまいました。「あ!」とすぐに奪い返そうとしたRちゃんですが、逃げ出すMちゃんの速さについて行けず怒っていました。

すかさず保育者がMちゃんに「ほしかったの?」と聞くとMちゃん「うん」 保「でも、勝手にとったらRちゃんいやだよね。Rちゃんに返してまた貸してって先生と一緒のお話してみようか?」と言うと「うん!」と頷き、一緒にRちゃんの所へ…。奪ったリンゴの玩具をMちゃんはRちゃんに一旦返し、Mちゃんは自分から「かーしーてー」と両手を合わせて話しました。Rちゃんはその言葉を聞いてジーっとMちゃんを見つめ、「はい」とリンゴの玩具を貸してくれたのです!それが嬉しかったようで、Mちゃんはニコッと笑い、「ありがと!」とRちゃんに話し、Rちゃんもまたニコニコしていました。その後、二人でままごと遊びを仲良く楽しんでいる姿があり、見ているこちらも温かい気持ちになりました。

 このように、1歳児の今の時期の子ども達は発語が増えることにより友達と関わる楽しさに気付くと共に、自我の芽生えから自己主張も強くなってきます。

友達と関わる=“社会性を身に付けていく”のですが、まだ場面に応じた言葉がうまく使えないので、大人の仲立ち、代弁が必要となってきます。大人が子どもの気持ちを汲み取って言葉を引き出してあげることで言葉の使い方、友達との関わり方を身に付けていきます。

また、行動を共にしながら興味・関心を共有することも大切です。子どもと一緒に行動することで発見した感動を共に喜び、共同遊びを一緒に楽しむ機会は大人が子どもと行動を共にする中から生まれていきます。

年齢が上がると共に仲立ちする場面が少なくなっていきますが、まだまだ大人の助けが必要な時期。子どもの様子を見守りつつ、どんな気持ちなのか、どういうことを伝えたいのかを考え気持ちに寄り添いながらうまく言葉を引き出し、子ども達の心が満たされるような保育を目指していきたいと思います。その日々の積み重ねが子ども達のより良い成長と自立への近道だと信じています。          (著:成田)

~ 広がる学びの芽生えと気付き ~
2024-09-01

今年度は食育の一環として、毎月の誕生会の日に「世界の料理」をいただいています。フランス料理の日に給食を食べ終え、ラキューブロックで遊んでいたR君。作り方の中からフランスの国旗を見つけ、夢中で完成させていました。近くに居たS君も一緒に国旗を作り始めます。二人の様子を見ていた保育者の「違う旗も作れるんじゃない?」という一言から、ハッと何かに気付いたS君。S君「ランチルーム見に行こう!」ランチルームに世界の国旗を掲示していたことを思い出したようです。2人で壁を眺めながら何を作ろうか相談し始めます。一連の様子から国旗が印刷された紙を用意すると、目を輝かせて国旗作りに夢中になる2人でした。

こうした、「何気ない遊びの中の子ども達の体験」が「気付きや学び」へと繋がり、またさらに

「意欲」へと広がっていきます。まわりの友達や大人に褒められたり、認められるという経験が、学びへ向かう力の土台となる『非認知能力』(★1)を育むうえで大事な要素となっていきます。

   保育・教育の言葉は言語化すると難しく、伝えづらい文言を用いて表現していますが、子ども達にとっては何気ない遊びの中の体験が学びの目標へとつながってます。友達や保育者とともに、日々、さまざまな体験をしている子ども達・・・。「気付き」や「学び」を子ども達と一緒に見つめ、耳を傾け、「発見のシェア(共有・教官)」を大切にしていきたいですね。                                                                        (著:藤田)
~ 安全感の輪 ~
2024-08-01
 今月は個人面談がありますね。例年、保護者の皆様とお話する中で、園と同じ姿であったり、家庭ならではの姿を教えてもらったりと一人一人の子どもについての共通認識や新たな視点で見つめることができるとても貴重な時間となっています。昨年からの子どもの姿を振り返ると、身の回りの始末がサッとできるようになっていたり、小さい子に玩具を貸してあげることができたりとグンと成長した面と、『友達とのちょっとしたケンカが多くって』や『いろいろな所に行ってしまうので目が離せなくって』など対応に少し困ってしまう行動がみられることも。
 しかし、このような行動も視点を変えると、違った捉え方ができます。少し前は一人で遊ぶことが多かった子にとっては『友達とのちょっとしたケンカ』は友達に興味を持つという一歩進んだ姿となりますし、『いろいろな所を探索』できるのはなにか怖い事や不安な事があった時に戻れば、抱きしめてくれたり、安心させてくれたりする特定の大人(保護者の方や保育者)がいるからと言えますよね。 
 赤ちゃんの頃から、保護者(園では保育者)に不安を受け止めてもらい安心感を得て、また外の世界に出ていろいろなものに触れたり、好奇心にかられながら遊んだりする中でたくさんのことを学んでいきます。
 このような不安→特定の大人とくっつく→安心感→外の世界へ→不安 は、『安全感の輪』と呼ばれており、この体験を積み重ねていくことで、少しずつ特定の大人から離れる時間や空間を長く、広くしていきます。
   子どもが安心感を持って外の世界にいるとき、特定の大人は子どもを信頼して見守ることが大切です。怪我をさせないようにと先回りして必要以上に手を掛けたりすると、子どもはなかなか離れられなくなったり、体験する機会を失ってしまいます。
 一方、不安になって特定の大人を求めている時には、しっかりと受け止めて安心してもらうことが大切です。その時々の子どもの発達や状況に応じて大人は見守りや応援をしたり、受け止めたり、なぐさめてあげたりと臨機応変にかかわることが健やかな心身の発達のカギになると言われています。
 ついつい、手を貸したり、少しでも危険なことを防ぎたくなったりしてしまいがちですが、いずれ自立して広い社会にでていく子ども達が困らないように、いろいろな体験を小さいころから積み重ねて、困った時に乗り越える沢山の方法を獲得できるように見守ることはその子を信じることでもありますよね。   
 日常の中のささやかな体験を幾つも積み重ねて子ども達はすくすくと成長していきます。育ちの基盤となっている家庭での姿やエピソードをうかがったり、園における集団ならではの、様々な体験を通して社会性や新たな視点を広げている姿を個人面談でお伝えできるのを楽しみにしています。(著:江良)
~ 読み聞かせを通して育む聞く力 ~
2024-07-01
 先日、こども園ではYOMIYOMI読み聞かせ会が開かれました。毎月行っている読み聞かせ会では、新しい絵本をメインに子ども達に紹介しているのですが、今回は、大型絵本やエプロンシアターなど、いつもより少し特別な演出により物語の世界を楽しみました。保護者の方々にも多数ご参加いただきありがとうございました。
 親子での絵本の時間をお楽しみいただけましたでしょうか。2歳児クラスのお友達と一緒に絵本を読んでいると、Aくん「これなぁに?」保育者「しょうぼうしゃだよ」、
Aくん「これは?」保育者「きゅうきゅうしゃ」、Aくん「これは?これは?」、Bちゃん「おなじだ!」などとお話しながら、絵本に描かれている絵を指さしていました。
 この指さしは子ども達の発見の喜びや、自分のきもちを伝える表現方法のひとつですが、“絵本への指さし”は、対象の物との距離が近いため、対象の物に触れながら、同じ世界を共有できるという良さがあります。対象の物を共有し、大人が言葉を添えることで、物と言葉を一致させていきます。こうして絵から文字へ興味が広がっていき、文字を覚え始める頃には、絵よりも文字に注目する時期もあるようです。このような時期に、目が文字を気にすることなく絵に集中して絵本の魅力を十分に味わうことができるのが「読み聞かせ」です。
 
「言葉を聞いた順番に」→「頭の中で組み立て」→「意味をくみ取る」
 
ということを繰り返し、読み聞かせを通して、「人の話を聞く」という能力の土台を培うことに繋がっているそうです。
 絵本を読むごとに新しい気付きや、物語への理解が深まっているのかな・・・と思うと、1冊1冊ずつ子ども達との絵本の時間を大切に、一緒に物語の世界を楽しみたいですね。                   (著:藤田)
~ 自然の中で発見する子ども達の成長 ~
2024-06-01
入園してしばらくは、ずっと一緒だったパパ・ママと離れたことで泣いていた子ども達も、今では保育者のおんぶや抱っこにより落ち着いて過ごし好きな遊びを楽しめるようになり、ホッと一安心しています。
 寒暖差が和らいだ5月中旬頃、お天気がいい日に散歩に出掛けました。お散歩デビューしたひよこ組さん達は散歩カーに乗りつつも、交代で保育者と手を繋いで歩きました。歩きなれない場所もありましたが、“よいしょ、よいしょ”と歩く姿が可愛らしく、ほっこりしました。
 室内にいるとなかなか聞こえないすずめの鳴き声、青々とした空を飛ぶトンビの姿、チューリップの花の鮮やかな色…全てが新鮮な子ども達は色々な所を指さして「あっ!あっ!」とやや興奮気味に次々と声を発していました。しばらく歩いていくとアリが何かを運んでいるところを発見!AちゃんとB君に「見て、ありさんがいるよ」と言うとすぐさましゃがみ込み、アリを指さして保育者に訴えていました。そのアリは食べ物を運んでおり、側構に落ちそうになってもふんばり、力強く進んでいました。指でつつこうとしたAちゃんを見て、B君がその手を止めたので「そうだね~。頑張って歩いているから見てようね」と言うと二人並んでアリの行く末を見守り、「ばいば~い!」と手を振っていたのでした。
 自然の中にはこのように子ども達の五感を刺激してくれる要素がたくさんあります。五感を刺激し鍛えることにより、脳の活性化につながります。子ども達は五感を使って体験し、様々なことを学んでいきます。まだまだうまく言葉が話せない1歳児さんですが自然の中で実際に見てみる、触ってみるなどの五感を刺激する体験をすることで、脳が活性化され、発語表現力、危機管理など、生きていく上で必要な力の土台が身に付くとのことです。
 小さい時から五感を使う体験の積み重ねが、子ども達の今後のよりよい成長に繋がることを願いながら日々、楽しく過ごせるよう工夫していきたいと思います。 (著:成田)
~ ともだちたくさんつくろうね ~
2024-05-01
桜が見頃を迎えた天気の良い日に、各クラス別にバスに乗ってお花見に出かけ、広い公園でリフレッシュしてきた子ども達。進級・入園から1ヶ月が経ちますが新しい環境に柔軟性を見せお友達を真似ながら身の回りの始末やおもちゃのお片付けなど、毎日様々な事にチャレンジしています。 以前までのコロナ禍では保育活動をクラス別に行うことが多く、異年齢の交流が乏しくなっていましたが、新園舎となり、朝夕や日中、遊戯室やランチルームで園児同士が集まれる機会が増えてきています。 朝の園内マラソン時に、3歳児さんが年長さんを真似て、大きな掛け声を出して走ったり、保育者に抱っこされている小さな赤ちゃんを眺めながら、4歳児さんが自分達の小さい頃と重ねてみるなど…子ども同士が日常的な関わりをもてる園生活は、子どもにとって家庭から離れた社会生活の第一歩となり、社会性を育む場でもあるのでたくさんの体験を通して社会性や人間関係の幅の広がりへと繋がってくれたらと思います。 送迎時に、玄関前のドキュメンテーションやHPに掲載した子ども達の様子などを保護者の皆様とお伝えし合えることも嬉しく思います。このように子どもの姿を真ん中に、お話しさせていただけることで、家庭と園とが同じ姿に共感したり、新たな一面に気づけるなど子どもへの理解が広がっていきます。 子ども達と毎日関わる機会をいただいている私達保育者は『子どもの心に寄り添い、保育の輪を広げます』という銀杏ヶ丘こども園の保育理念の下に、ご家庭と園と地域が共に子育ての楽しさを共有できるよう努めていきます。大型連休中はゆっくりと家族で過ごし、心の充電を満タンにして、連休明けも元気な笑顔に会えることを楽しみにしています。   (著:稲葉)
~ つながる ~
2024-03-01
 窓から差し込む太陽の光が心地よい時期となりました。あっという間に3月ですね。春からを振り返ると小学校の体育館での運動会、大きなステージでのお遊戯会など行事の度に新しい姿を見せてくれた子ども達の姿が目に浮かんできます。もちろん子ども達の成長は何より一日一日の積み重ねの賜物です。集団生活ならではのいろいろな経験を積み、それに伴った様々な思いを園や家庭の中で表現し受け止めてもらい、頑張りを認めてもらったり、褒められたりするなかで、自分の良いところも悪いところも含めて肯定できる前向きな感情が育まれているのだと思います。それらはきっと自信やちょっとした勇気となりチャレンジする力へとつながっているのではないでしょうか。そして・・・子ども達の持っている様々な力がのびのびと発揮されるために『安心できる環境』はとても大切です。
 あともう少しで進級・進学などにより環境が大きく変化しますが、少しでも早く、安心して自分らしさが発揮できるように・・・と様々な取り組みが行われています。

   大きく環境の変化があるのは小学校に入学する年長さんですが、つがる市は小学校との連携にも力を入れており、当園にも向陽小学校の先生方が何度か来園し、子ども達がのびのびと遊ぶ(学ぶ)姿や園内で行っている子ども達にわかりやすい支援などを見てくれます。場所が変わっても同じ工夫が取り入れられていることで、見通しを持って活動できる力になるのだと思います。
   また、進級する子ども達についても新しいクラスでの活動や異年齢児交流、進級した時に使用するトイレの使い方や遊び方のお約束などを繰り返し確認する機会を設けています。
   新園舎になったこともあり、子ども達はワクワクした表情で新たなことをグングンと吸収していっています。柔軟性がある子ども達はほんの少しの丁寧な関わりでこんなにも大きくさらりと変化し成長していくのだとその柔軟性と可能性に感動しました。
  
   のびのびと、すくすくと育とうとしている子ども達に『安心できる環境』を『これまでの育ちの歴史』を次の活躍の場につなげて行きたい、つながり続けて欲しいなと願っています。(著:江良)
~ 子育ての四訓ってなに? ~
2024-02-01
   この時期、カルタ大会やなわとび大会など子ども達がチャレンジする園行事が多く、その度に喜んだり悔しい思いをしながら様々な感情を経験します。その小さな胸に色々な感情を巡らせた子どもの話を聞いて、私たち大人が励ましたり喜んだりして感情を共有していくことで、子ども達の自信に繋がったり、次のチャレンジに意欲をみせたりしていくのでしょうね。子どもには将来どんな人になってほしいかと願いを込めながら伝えていることが多く、その言葉や対応を将来、思い出す日があると思えば、今の年齢でどのような距離感で励ましたり慰めたりするべきか大切になってきますね。
   今や子育て本などにも度々登場する“子育ての四訓”はご存じの方もいるかと思いますが、元はアメリカインディアン教えとして、万国共通に伝わりそれぞれの発達段階で親がどの程度の距離感で接すると良いのか示したものです。

      ●乳児期は しっかり 肌を離さず・・・基本的信頼関係
               ・この時期に愛着形成を大切に育むことで今後の人間関係に繋がっていく
      ●幼児期は 肌を離して 手を離さず・・・自主性・運動機能の発達
               ・色々なものに自ら挑戦してみようと意欲をもてる時期。親はいつでも手助けができるよう
                  手を離さないよう安全基地の存在であること
      ●少年期は 手を離して 目を離さず・・・自律性・勤勉性
     ・基本的生活習慣が身につき、身の回りのことを自分で判断していく時期。
                 失敗も成長の糧と捉え、親はそっと手を離し見守る姿勢でいること。
      ●青年期は 目を離して 心を離さず・・・自立性
               ・子どもが多様な社会を受け入れ学ぶ時期に、親の過剰な介入は許容範囲を狭めてしまいます。
                  悩んだ時こそ助け船を出せるよう親は子どもを信じ 心で寄り添うことで精神的安定を図ることで
                  自立に向かっていきます。
 
   今の乳幼時期は、愛着形成を大切にしながら次の段階に向かっていくための土台をしっかり築き毎日の園生活で沢山の経験を重ねて、心も体もすくすくと成長してほしいですね。 (著:稲葉)
~ はぐくまれていく優しさ ~
2023-11-01
   園庭の銀杏の葉が黄色く色づき、葉っぱの上にはコロコロとした銀杏の実が幾つも転がっています。つがるの秋を存分に楽しむ子ども達の元気な声が園に響き渡っています。先日、うぐいす組さんと一緒に“秋”を探しに地球村に行ってきました。手作りのどんぐり型のバックを持ち、トトロでお馴染みの『さんぽ』を歌いながら散策する姿を後ろから見ているととても微笑ましく、大人の私まで心がはしゃぐ心地よさでした。A君と手を繋いでいた私が軽くジャンプをするとA君は笑いながら、「あぶないから、ちゃんと歩いてね」と声を掛けてくれ、日頃から先生たちやお母さんがこのように優しく声を掛けてくれているのだろうなと感じました。 はらっぱに到着し松ぼっくりを拾ったり、赤や黄に色づいた葉を拾ったり、落ち葉を集めて空中に放ったり、それぞれが思い思いに楽しむ姿を見ているとBちゃんが「はいっ!」と大きな松ぼっくりをプレゼントしてくれました。「ありがとう!大切に取っておくね~」というやり取りをした後に・・・それを遠巻きに見ていた子ども達が次々と松ぼっくりや葉っぱをプレゼントしてくれるという状況に!!   なんとも優しい子ども達です。
 
   この『優しさ』はどのように育まれていくのでしょうか・・・ 
 発達は一つの段階を経てから次の段階へと螺旋階段のように育まれていくと言われています。  他者を思いやり、他者のために行動するようになるには、まずは自分が優しさを注がれ、十分に満たされる体験を積み重ねることが大切だと言われています。優しさを注がれた時に感じる『自分が愛されている、大切にされている』という感情は『自己肯定感』を上げていき、『自己肯定感』が高い人は自分自身に対しての信頼があるため自分の意志や考えを大切にできます。また、そのうえで他者の意見も認め温かく受け入れることができます。
 
   では、この『自己肯定感』はどのように育まれていくのでしょうか・・・
自己肯定感はありのままの自分の感情を重要な他者に受け止められることで育まれていきます。
子どもの全てを受け入れて何でも聞いてあげるということは難しいですが、『ありのままの感情を受け止める』ということが大切です。また、気持ちを受け止めた後には、いつであればその願いが叶えられるのかを伝えたり、代替えの叶えられそうなことなど気持ちを切り替えるきっかけとなりそうな提案があればお互いに心穏やかに解決できるかもしれません。このように、特別なことは何もなく、日々のなんてことのない会話や関わり、対応などの丁寧な積み重ねが子ども達の健やかな発達に繋がっていくのですね。 最後に・・・子どもの愛着関係の形成や社会性の発達に関する講演をされている、東京大学 遠藤利彦先生のご著書の一文をご紹介します。
 
 「子どもは人との豊かな相互作用の中で育ちます。 子どもの発達に大切なことは周囲の大人からの何気ない当たり前の関わりの中にすべて含まれているのです。」
(遠藤利彦 『赤ちゃんの発達とアタッチメント 乳児保育で大切にしたいこと』ひとなる書房、2017年)                                                               (著:江良)
 
~ 目には見えない心の成長 ~
2023-10-01
 秋の気配が感じられる季節となり、子ども達は運動会の練習を外で楽しんでいる様子がうかがえます。子どもの成長にはなくはならない大切な行事の一つでもある運動会は、当日の結果だけでなく、そこまで練習を重ねた日常の保育に、子どもの一人一人を成長させる要素がたくさん盛り込まれていて、今の年齢でしか感じることのできない心の動きが子ども達にとって心が成長する大切な糧となります。
 お友達が走っている姿を見て自然に「がんばれ~!」と声を掛け合いお友達と一緒に走る楽しさを感じたり、園庭を全力で走った後、玄関に帰ってくると誰が一番だったか揉めたりしながら同時に、どんな言葉を掛けるのが良いのか、相手を労る心も同時に学んでいます。
〝一番でゴールしなくても走り方が良かった〟や〝泣かないで走ったからエラかった〟など気持ちの向かう先を知るなど、『かけっこ練習』の活動一つとっても、目には見えない“心の成長”を促す要素が沢山盛り込まれています。チャレンジすることの大切さや周りの励ましに応えたいと思う気持ちなどが将来、色々な事に向かっていけるような心の芽生えとなるのでしょうね。
 行事練習を重ねる度に、頼もしくなっていく子ども達の成長を応援してあげながら、当日の感動や喜びを共に感じられたらと思います。
 運動会練習の様子を窓に顔をくっつけながら眺める0才児さんは賑やかな雰囲気を感じているのか遊ぶ手を止め、じーっとお兄さんお姉さん達の姿を目で追っています。
 人生で初めて運動会を迎える子、昨年のリベンジに燃えている子、家族に褒めてもらうことを期待している子、園生活最後の運動会を迎える子etc・・・当日は、子ども達が練習をしてきた背景も重ねて応援してあげてください。ご家族の皆さんにとっても楽しい一日となるといいですね(‘ω’)
その日を無事に迎えられますよう体調管理にどうかご協力をよろしくお願いします (著:稲葉)
  
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