子育て支援megomego
過去のすくすく通信(2022)
♪まってた・まってた・うんどうかい♪の元気な歌声が各クラスから聞こえてきています。
運動会に期待しながら、かけっこや遊戯などの競技の他に行進や体操、応援合戦の練習に毎日、意欲をみせている子ども達です。
この時期は、周りの大人たちの励ましに応えたいと思う心や、課題があることで乗り越えようとする気持ちが芽生えるなど、将来色々な事にチャレンジしていける強い心がつくられることに繋がっていく、子どもの育ちに大切な期間でもあります。その反面、行事練習が続くと知らず知らずに子どもの心的ストレスが蓄積され、様々な症状や不調が見られるようになったりもします。
稀に吃音やチック症状がみられたりする時はご家庭と園が一緒に対応ができるようやり取りが大切になってきます。吃音(どもり)は子どもの発達の過程でよく見かけられる症状ですが、幼児期のお子さんで4~5%程度で症状が現れ、大人になるにつれてなくなっていくものだそうです。
主に2、3語文を話し始めた子が自分の想いを言葉にして伝えようとするものの、獲得した語彙数の少なさや、発音の未熟さなどにより、伝えられない焦りから「あ・あの・・・あのね」とどもりになって現れたりします。原因を特定するのは難しいですが、行事前などは吃音やチック症状が出ることもあります。子どもが一生懸命話している言葉には、ゆっくりと聞いてあげる大人の姿勢が大切になりますね。望ましい姿勢ついて、保育者がいくつか統一している。望ましい姿勢というのがあります。
・子どもの代わりに話さない ・子どもが話し終えてからワンテンポおいて返す
・ゆっくりめの口調で話しかける ・会話しなくても短時間でいいので関わる時間をもつ
吃音の多くは一時的なもので、自然に治っていきますが、力の入った苦しそうな吃音が半年以上続くようであれば専門機関でその子に合った対応をうかがってみるのも良いかと思います。
また周りの子に指摘される年頃になると、一生懸命伝えようとすることに消極的になってしまい自己肯定感への影響も心配になるため環境への配慮も大切にしたい所です。
これからは心理的にも体力的にも疲れを溜めすぎないよう、外遊びなどで適度に発散させてあげたり、リラックスして遊ぶ時間も多く設けるなどして心と体のバランスに配慮したいと思います。
ご家庭でも子どもへの言葉掛けを大切に、運動会までの練習のプロセスを褒めたり、頑張りを認めてあげるなどしてあげてくださいね。運動会当日は心も体も大きく成長した子ども達の姿が見られ、たくさんの喜びや感動をもらえる日となることを願っています。(著:園長)
園庭にある銀杏の葉っぱがうっすらと黄色に染まってきました。
空を悠々と飛ぶトンボや、草むらから突然飛び出すバッタを子ども達が追いかける姿が見られる頃です。
子ども達は、自身の体験やお友達から刺激を受けて日々いろいろなことを吸収しています。
その出来事が『小さいこと』でも『その時には意味が分からなかった』としても、吸収されたものは蓄積されていき、コップに水滴がたまり続けてその水が溢れ出るかのように、蓄えられたものが『成長』や『理解』として急に現れたように見えることがあります。
なかなか言葉が出てこないので心配…という相談へのアドバイスとして、よくこのコップのお話が出てきます。
『言葉のシャワーを沢山かけてあげて、コップから溢れると言葉が出てきますよ。一人一人のコップの大きさや入口の形が違うので、個人差がでてきます。』
という内容ですが、この言葉のシャワーのかけ方には大切なポイントがあり、また、コップを満たすのは言葉だけではなく、欠かせない大切なスパイスのようなものも必要なのではないか…とこれまでの子ども達の姿から感じています。
言葉のシャワーのかけ方のポイントとしては『今の姿』をじっくりと見つめ、どんなことに興味や関心があるのか、また言葉のシャワーをかける際は、子どもが体験しているその時に、その体験の妨げとならないような『タイミング』『声色』『さりげなさ』が大切になると思います。
子どもに限らず、興味や関心があることについては既にアンテナを張っている状態なので、その単語や物事はよく目や耳に入り、記憶にも留まります。一方、関心がないことについては話を聞いたとしても集中が続かなかったり、覚えていないことの方が多いのではないでしょうか?
また、言葉をかけるタイミングとして『体験している時』とお伝えしましたが、体験をしている時は心も体もそこに意識が集中している状態でもあります。その体験を通して得ている心や身体の感覚を存分に味わうことが大事ですから、言葉をかけすぎたり強調しすぎたりすることで、本来体験できるはずだった感覚が軽減されるのは避けたいですよね。そこで、穏やかでちょうどよいボリュームの声とさりげなさがポイントとなるわけです。
次に、コップを満たす時に欠かせないスパイスとは・・・
それは、『伝えたい』という思いと『伝わった喜び』です。
沢山の単語の意味が解り、それを上手に発音できたとしても、どんなに素敵なアイディアや思いがあったとしても、『伝えたい』という思いがなければ自分一人の世界に留めてしまうことになります。いろいろな思いやアイディアを発信し、それが相手に伝わり、さらに共感してもらえたら、その喜びや嬉しさは何倍にも大きくなります。また、その発信に刺激を受けた誰かの閃きにつながるかもしれません。
このコップは目に見えないので、どのくらい溜まったのか、スパイスは足りているかがわかりにくいのですが、だからこそ日々の積み重ねを大切にしてあげたいですね。
1歳児クラスで子ども達と窓の外を見ていると、飛行機を発見!「ひこうき!」と言って私が指さす方向を『どこ!どこ?!』というような表情や仕草でみつめる子ども達。
ことばのコップにまた一滴が溜まったように感じた、嬉しい一場面でした。
(著:江良)
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